外国人 日本語を学ぶ・・・
こうし、と言えば「子牛(小牛、仔牛)」それとも「孔子 」ですよね。
ヨーロッパや英語圏の国なんかでは、孔子のことを「Confucius(コンフューシャス」っていうんです。
「こうし」と「コンフューシャス」まともに被ってるのは「こ」だけ。
どこをどうしたら、こういうことになってしまうのか、ちょっと気になったので調べると、コンフューシャスはラテン語化されたカタチなのだそうです。
ある時息子が「学校でコンフューシャスについて習った」と言ってきたので、日本ではコンフューシャスを「こうし」と呼ぶのだということを教えてあげました。
ついでに、
「『こうし』という音は、『小さい牛、つまりリトル・カウ』っていう意味にもなるんだよ」
ということも教えてあげました。
すると、即座に彼は、可愛 らしい仔牛の姿を思い浮かべたんでしょう
「きゃわいいぃぃいぃ!!♥」
と小娘のように喜び、それが私にものりうつり、以来私たちの間では「こうし」という音が特別な意味を持って響くようになりました(「こうし」と聞くと、テンション上がるのです)。
皆さんもカワイイ仔牛の姿を思い浮かべてみてください。
たしかに、カワイイです♥
ちなみにその、仔牛の色は何色か、息子に尋ねたら「茶色」と言ってました。白と黒のホルスタインではないんですね。私は何となく、ホルスタインを思い浮かべたのでしたが、・・・たしかに、茶色い仔牛の方が、より可愛らしいような気がします。
牛というのは、優しい・可愛らしい顔をしてますね。あんなに顔が長いのに。
黒くて大きな丸い目、それにあの睫毛 のおかげでしょうか。とても穏やかな感じがします(私が思い浮かべている牛は、牧場に居るような牛です。闘牛 ではありません)
牛の話はこのくらいにして。
外国人が日本語を学ぶ・・・
で、いま思い出したのが、外国人にとって「つ」の発音が難しい、ということ。
外国人なら誰もがこれを発音できない、というワケではないのですが、イギリスに居た頃しばしば「つ」と言えない人に遭遇 いたしました。
たまたま私の周りがそうだっただけなのかもしれません、が、「みつびし」を「みちびち」というか、場合によっては「びちびち」に聞こえるような、かなり妙な響きになってしまうんですね。
そこで「つ」だけ言わせると、「ちゅ」になってしまうというか、とにかく恐ろしく発音しづらいのだとか。
かと思えば、ここアメリカでは、結構普通に「つ」が言えてたりもするんですね。
ダンナも、息子も言えます。
しかしやはり「つ」だけを発音させると、私達日本人が発する正しい「つ」とも違うことが分かります。何か、妙なのです、「つ」と「づ」の間の音、のようでもあり「す」と「つ」の間のようでもあり・・・
英語では、「つ」と単体で発音するようなことがありませんから、慣れない音を出すというのは難しいものなのでしょう。
英語にあって日本語にない音の代表格と言えば「th」ですよね。Thank youのth。
この「th」の発音、インドの方には大変難しいのだそうで、私の出会ったインドの方も皆、タ行で発音していました。つまり、thinkは「ティンク」というように。
もちろん、英語圏などで生まれ育ったとか、幼少時から正しい英語の発音で教育された場合は別です。
この「th」の発音の仕方として、「舌を上の歯に当てて発音する」とか「舌を歯で挟 むようにして」とか耳にしますが、この言い方が良くないんですね。
「舌を上の歯に当てて」にしても「舌を歯で挟むようにして」にしても大間違いではないのですが、その、舌の当て具合がどの程度の当て方なのか、歯で挟むにしてもどのくらいの強さで挟むのか、そこでつまづいてしまい「th」の発音ができない、ということになってしまっているようです。
舌をしっかり歯に当てたり、歯でしっかり挟んでしまっては、当然「th」特有の摩擦系子音の音は出せません。
ちゃんとその摩擦音 を出すには、しっかり当てるのではなく、舌が歯に極 軽く、当たってるか当たっていないかくらいの状態で、発音するのです。
しっかり舌を歯に当ててしまったり歯で挟んでしまうと、当然その状態で発せられる音は、thinkの場合ティンクとなり、thの摩擦音は出せません。
そうです、あの摩擦音を出すには、当然、歯と舌の間に隙間 が必要なのです。その隙間に息を送ることであの音が出せるのです。
しかし、thを発音することが当たり前になってくると、確かに、これを発音する時、舌がけっこう歯に当たっていたり、また傍目には、実際舌を歯で噛んでるように見える場合もあります。ネイティブがthを発音する際なども、見た目にはそんなふうに見えたりして。
とはいうものの、thはどこまで行っても摩擦音なので、舌がしっかり歯に当たっているようでも、実は軽~く触れたに過ぎないのです。力をかければかけるほど、摩擦音が出づらくなり、ティンクにならざるを得なくなります。
何を言ってるんだ私は!
日本語の巻、なのに英語の話になっちゃって。
外国人にとって「つ」は難しい、っていう話でしたね。
あと「づ・ず」も苦手みたいですよ。(全然大丈夫、っていう人も居ることでしょうが)
息子の方が、若いせいもあるんでしょう、日本語の発音が自然な感じです。単語によってはジャッキーチェンみたいな日本語に聞こえることもありますが、ダンナの場合、ジャッキーチェンどころの騒ぎではなく、聞いていて痛々しいくらいに気持ちの悪い発音になっていたりします。
ジャッキーチェンを引き合いに出したのは・・・大昔(もう40年くらい前)の話で、テレビで彼が話しているのを見たんです。確か、スーパージョッキーとかそういうのでした(はい、古いですよ)。日本語習いたてだったんでしょう、ジャッキーの日本語はとてもキモかったのです。そのせいで、コワイ日本語の外国人というと「ジャッキー」という具合に私の頭にインプットされてしまい、未だにその代名詞としてジャッキーを使わせてもらっているのです。
(ジャッキーファンの皆さん、本当にごめんなさい!)(しかし、ちょっと前に彼が日本語を話しているのをYoutubeで見たような、見ないような・・・彼の日本語はずっとよくなっていたような、そんな気がします)
もう、雑談はこのくらいにしましょう。
あ、また一つ、二つ、思い出しました。
英語に関する豆知識。
日本語の巻なのに!!
というか、自分がここで使った英語 に対する注釈でして、先ほど私は「仔牛」の話をしていて、「テンション上がる」と言いましたが、このテンション、本家本元の英語圏では「緊張・不安・緊迫状態」を表す言葉ですから、日本で口にされているような調子でこのテンションを使うと、誤解されてしまいます。
なので「テンション上がる」「ハイ・テンション」と言いたい場合は、「excited」「hyper」「energetic」「pumped / pumped up」といった単語を使った方がフツウに通じます。
また、私は、マンガ・修行三昧1ページ目で
「わたし ビッチじゃないわよ」
などとサイ子に言わせておりますが、これも「日本での使われ方」を採用し、そう表現させてもらいました。要するに「尻軽女」的な意味合いで。
しかし本来の英語の意味としては、このビッチ(bitch)という言葉には、「性的に軽い女、ふしだらな女」「淫乱 (ヤリマン)」のような意味は含まれません。
Bitchは雌犬 を指す語でもあるので、そっから来たのでしょうか・・・(雌犬=いろんな雄犬と性交渉するから、みたいな)(あと何か、荒々しい性交渉などの場面で男が女に向かって「このメス犬が!」とか「メスブタめ!」とか言ったりする場合があるようですが、そんなことからもメス犬=淫乱=ビッチになったんでしょうか)
英語圏で「bitch」と言うと「意地悪おんな」「文句ばっかり言ってる奴」「なんでもコントロールしたがる超仕切り屋」「不快・困難な物事」のような意味で受け取られます。そこには性的な意味合いは一切含まれません。
スラングでbitchを誉め言葉的に使ったりもするようですが、基本的には「意地の悪い女」が一般的かと。
アメリカ人のダンナにもこの点確認しましたら、それで間違いないとの答えが返ってきました。
が!! 今ちょっと気になったので、改めて私が所有する電子辞書(ジーニアス英和辞典)でbitchを調べてみましたら、「《俗》意地の悪い女、尻軽女」とありました。
これじゃあ、しようがありませんね!
日本人がその意味で使うのは!辞書にそう書いてあるんだから!
これはもう、調べないわけにはまいりません。
ケンブリッジ英英辞書によりますと、やはり一つも、性的な意味合いが込められた言葉は記載されておりませんでした。
じゃあそれこそ、スラングとしてはどうかというと、先ほど述べたように、誉め言葉的に、または親しみを込めてそれが使われる場合もあるので、そうなるともう確かに何でもありといった感じで、もはや何が正しいのか、という様相を呈してきます。
地域や時代のトレンドなどによって、別の意味で使われたりと、やや流動的であったりするんですね。
ヒップホップなどでラッパーが「Bad Bitch」という場合「自信に満ち溢れた魅力的な女・自立した女」という意味で、誉め言葉になるんだそうです。
・・・しかしやはり、例の「尻軽女」的なのは見つかりません。
が、そうです、こういうものは語り手(それに語られる状況)によっては「俺のカワイイ尻軽女」みたいな意味でBitchを使う男も居ることでしょう。
つまりそんな使われ方もまったく不可能ではない、ということになりますが、それらはむしろ例外的な使われ方と解釈した方が間違いない、と結論させてもらいます。
Bitch=「イジワル女、イヤなやつ」という形でこれを使うのが最も無難だということです。妙な誤解も生まれません。
ただ、私自身、ビッチを尻軽女として、またテンションを日本流に使ったように、日本人同士でこのように使う分には致し方ない、と感じております。これだけ浸透しちゃったら、しようがありません。
なので「あ、こいつ、間違った使い方してる」みたいなことはもはや思いません。
ただ、英語による本当の意味を知っておくと、英語を使うことになるかもしれない状況(留学でも海外転勤でも、なんでも)に立たされた時、誤解を与えずに済みますので、覚えておいた方が得です。
ああ、こんなに長々と書くつもりはなかった!!
日本語の巻なのに! (しつこい)
・・・外では、花火がうるさいです。明日は独立記念日ですから。